僕がベクトル空間を勉強したのは線形代数の授業で、定義や公理やらが多くていまいちよく理解できなかったことを覚えています。
最近やっと(本当に今更ですが)なんとなく大まかにどんなものかイメージできるようになったので、それをシェアしたいと思います。
この記事では難しく、堅苦しい定義や公理抜きでできるだけわかりやすく説明することを目的にします。
ベクトル空間を僕のイメージで一言で言うと、n次元の場合n個の(高校で習うような)ベクトルで表されるものです。
今まで使ってきた座標軸
今まで使ってきた2次元の座標軸をイメージしてください。横軸をx、縦軸をyとして、グラフの点を縦軸と横軸に垂直な線を書いてぶつかった軸のxとyのメモリーを読み取って、例えば(3,2)といった感じにならべて表現していたと思います。
ベクトル空間でさっきの座標軸を考える
x軸をベクトルa=<1,0>、y軸をベクトルb=<0,1>とそれぞれベクトルに変えてみます。
そうすると、さっきの座標 (3,1) は x軸方向に1だけ進むベクトルaに3をかけた3ay軸方向に1だけ進むベクトルbに2をかけた2bの和である 3a+2bと表されることになります。
このように2つのベクトルの和とスカラー倍(実数倍)で表されるものはベクトル空間の要素です。
この考え方を使うと、実数×実数の二次元の座標軸の何処へでもたどり着けることがわかります。
ただし 3a+2bそのものは点そのものを表さず、ベクトルを表しますが。
また僕の例ではx軸をベクトルa=<1,0>、y軸をベクトルb=<0,1>で考慮しましたが、実際は任意の一次独立な2つのベクトルならなんでも大丈夫です。
例えば、x軸をベクトルa=<4,1>、y軸をベクトルb=<3,1>と仮定すると、
<3,2> = m<4,1> + n<3,1>
<3,2> = <4m+3n, m+n>
m = -3 n = 5 のという実数をa,bにかけた和で表されることが分かると思います。
要は任意の一次独立な2つのベクトルで座標軸を網羅できます。この網羅できる範囲がベクトル空間って感じです。
(この網羅できる範囲をSpanっと言います。)
本当は...
本当のベクトル空間の定義は座標なのではなく集合なのですが、二次元ならR^2=実数×実数の座標軸を使って確認することが可能なので座標で考えてみました。
グーグル先生によるとスカラー倍は実数だけじゃなくて複素数もオッケーだったりなかったり?すみません、その辺はもっと詳しい方へ...